1997年生まれ。
中学生の頃から幻覚や幻聴のような症状が出始め、23歳のときに統合失調症と診断される。異世界(隣家の表札の名前やテレビの放送内容が変化したパラレルワールドのような世界)に迷い込み、幻聴からは罵られ精神的に追い込まれる日々に悩まされていた。ベランダから飛び降りようとしたあんでれれを取り押さえ命を助けてくれたのは弟だった。そのまま入院となり、退院して帰ってくると世界は元に戻っていた。家族のために生きようと誓ったと当時を振り返る。
2024年4月よりうむラボに所属。うむラボの仲間に病気の症状や過去の話をすると、興味深く聞いてもらえ、ときに笑いが起きた。自分の病気を怖がらず、おもしろがられたのは初めてだった。これまで病気を隠して生きてきたが、これをきっかけに病気をオープンにすることを決める。
感情が揺れたときに、その気持ちを曲にすることで心の安定を図るということを日常的に行っていた。そのため、自分の状態が悪い時や怒りなどネガティブな感情がきっかけになって曲が生まれることがほとんどだったが、
うむラボで活動し始めてからは事業所での仕事をテーマにした曲や、幻聴そのものを楽曲化する新しい試みに挑戦している。ラジオを特定の周波数に合わせたときに流れるノイズを聴いていると、ノイズが徐々に変化して自分に対して語りかける幻聴になることを発見。それ以来ラジオが生み出す幻聴と会話することが日課になっているが、楽曲『うどん』ではその「会話」をサンプリングし曲を作るという恐らく世界初の作曲プロセスを導入し、幻聴音楽という新ジャンルの確立を目指している。現在、幻聴の「再現」だけにとどまらず、幻聴からメロディーや歌詞を取り出す手法を模索している。曲作りは完全に独学で荒削りだが、それ故あんでれれの創造性を純度の高い状態で感じることができる。
自分の病気をあっけらかんとすることで、「なんかこんなのでもいいんだな」と思ってもらえるような楽曲を目指して作成しています。僕自身もこのままでいこうと思います。統合失調症の人が元気になれて、統合失調症患者をもっと世界に理解してもらえる。統合失調症の人がもっと頑張ろうとして世間への歩み寄りをする。そんな世界の実現に向けて、自分は音楽という方法で貢献していきたい。そういう思いが込められています。
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